「夜はやさし」
Tender Is The Night
スコット ・ フィッツジェラルド
Francis Scott Fitzgerald
#アメリカの文学 #フィッツジェラルド #猫 #ぴーろ君
作品概要

Tender Is The Night 「夜はやさし」

F・スコット・フィッツジェラルド着。1934年刊(決定版1951年)。アメリカ人の精神病医ディックは、スイスの療養所で出会った患者ニコルと恋に落ち、結婚する。南仏リヴィエラに移り、妻であり患者でもあるニコルを献身的に支える日々。人望、富、幸せな家庭、すべてを持ちあわせたように見えるディックだが、妻をはじめ、他者を幸せにしょうと奉仕生活を送る間に、彼の青春は失われていた・・・・・。自伝的色彩を強く放つ、若者最大の長織傑作。

著者概要

Francis Scott Fitzgerald

スコット フィッツジェラルド

20世紀アメリカの作家。ミネソタ生まれ。ヘミングウェイとともに「ロスト・ジェネレーション(失われた世代)」の作家として知られる。名門プリンストン大学中退後、第一次世界大戦に従軍を志願。アラバマ駐屯地でゼルダ・セイヤーと出会い、1920年、処女作「楽園のこちら側」刊行後、結婚。狂騒の20年代、いわゆる「ジャズ・エイジ」の世相を鮮やかに描き出し、当時の若者のライフスタイルに大きな形響を与える時代の龍児となる。晩年はアルコールに溺れ、精神を病んだゼルダとの葛康など、失意の中で生を閉じ。

名文を味わう
原文①を読む

In the dead white hours in Zurich staring into a stranger's pantry across the upshine of a street-lamp, he used to think that he wanted to be good, he wanted to be kind, he wanted to be brave and wise, but it was all pretty difficult. He wanted to be loved, too, if he could fit it in.

訳文①を読む

彼は、チューリッとの真夜中どきに、街灯の光の向こうに見えるよその家の食器部屋などをじっと見つめながら、自分はいい人間でありたい、親切で、勇敢で、賢明でありたい、だがそれはいかにもむずかしい、などとしょっちゅう考えていた。そしてまた愛されたいとも考えた。もし自分がそれにふさわしい人間であるならば、ど。